看板の素材はどのようなものがある?その用途について徹底解説!
一言に看板を作ると言っても、こだわれば悩むポイントがたくさんありますよね。
形やデザインはもちろんのこと、見落としがちなのがその素材です。
同じカラーでも素材の違いで印象ががらりと変わることもあります。
そこで今回は、看板の材質についてまとめていきます。
初めて看板を作る方も、そうでない方も是非参考にしていただければと思います。
<目次>
パネルの素材はどのようなものがある?
アルミ複合板

軽量な発泡材をアルミ等の金属ではさんだ素材です。
軽さと強さを兼ね備え、劣化しにくく、最近の看板では最も一般的に使用されます。
また加工も容易で、コツさえつかめば市販のカッターナイフでも綺麗に断裁することができるほどです。
耐久性が高く平滑性に優れているため、印刷やメディアの貼り合わせといった作業もしやすいです。
防火性のあるものも販売されており、近年多くの現場で使用されています。拭き取るだけである程度の汚れは落ちるためメンテナンスも容易です。
アクリル板

看板材料として古くから使われている素材です。
透明性と耐衝撃性に優れた合成樹脂で、多くが内照看板に使用されます。
ガラスよりも高い透明度を活かし、観賞魚用の水槽などにも加工されます。
看板に使われるものは乳半または透明の板がほとんどですが、中には様々なカラーで色付けされたアクリル板もあります。
アクリル板は比較的丈夫な素材で衝撃には強いですが、小さな傷はつきやすいためお手入れには注意が必要です。表面を傷つけないよう表面のホコリを払った後、コンパウンドやクレンザー等の研磨剤は使わずに、柔らかい布や眼鏡拭き等で軽く磨くか、中性洗剤で洗う程度がおすすめです。
ステンレス鋼板

ステンレス(Stainless)とは、「さびにくい」という意味です。
その名の通り、ステンレス鋼は一般の鋼に比較すると極めて優れた耐食性を有する材料ですが全くさびないわけではなく、付着した空気中のわずかな鉄粉などによりさびが発生することもあります。
日々のメンテナンスでは、この鉄粉を含んだホコリを取り除くことが重要です。もし錆が付着してしまった場合は、極微量のクレンザーで拭きとることで錆を落とすことができます。砂やホコリを払ってから作業を行うようにし、ヘアライン仕様のものに対しては、その方向に沿って磨くようにしてください。
また、耐熱性・加工性・強度なども非常に優れており、100%リサイクル可能な材料として高く評価され、近年注目されている素材でもあります。
スチール板

スチールとはいわゆる鉄のことです。
丈夫で価格が安く、マグネットがつくのが特徴です。
価格が安いため、様々な看板で使用されます。
看板に使われるスチール素材は表面処理が施されているものがほとんどで、特に屋外用はさびを防ぐよう作られていますが、表面に傷がつくなどの原因で内部が腐食することもあります。
鉄というと頑丈なイメージがありますがさびには弱く、長く使用するためにはよごれや水滴をこまめに取り除くなど日頃のメンテナンスが必要です。汚れの掃除などには柔らかい素材を使うなどして表面の塗装をいたわるよう心がけてください。
木材・合板・集成材

ほかの素材では表現できない有機的な温かみや味が特徴です。
看板に使用されるものはほとんどが表面処理を施されていますが、木材はどうしても水に弱いため、こちらもよごれや水滴をこまめに取り除くなど日頃のメンテナンスが大切です。
美しい木目は木材ならではの魅力ですので、大切に使用していただければと思います。
種類 | メリット | デメリット | 主な用途 |
---|---|---|---|
アルミ複合板 | 軽い・丈夫・加工が容易 | 特になし | 様々 |
アクリル板 | 透明性・耐衝撃性に優れる | 傷がつきやすい | 内照式看板 |
ステンレス鋼板 | さびに強い・丈夫・メンテナンスが容易 | 価格が高い | 屋外用 |
スチール板 | 価格が安い・マグネットがつく | さびに弱い | 様々 |
木材・合板・集成材 | 温かみ・味 | 水に弱い | 屋内用 |
フレームの素材はどのようなものがある?
アルミ

金属としては非常に軽量で柔らかく、ステンレス同様さびにくいのが特徴です。
同じアルミでも純度の違いや、鋳造と鍛造といった製法、削り出しなどの加工方法などにより軽さや強度は異なります。
身近なものではアルミ缶や一円玉などに使用されている素材で、看板では大型のものなど重量を抑えたい場合に多く使用されます。
加工が容易で、看板に使用されるものは強度が出るよう工夫されているものが多いですが、他の金属と比べると柔らかいため、衝撃が加わるなどすると変形しやすいです。
鉄骨

その名の通り金属製の骨組みのことで、丸パイプ、角パイプ、H型、コの字型など用途によって様々な形状があります。
安価で堅牢なのが特徴で、主に屋外用の大型の看板に使われます。
木材

パネル素材としての木材同様に、ほかの素材では表現できない有機的な温かみや味が特徴です。
水に弱いため、変形や腐食を防ぐにはよごれや水滴をこまめに取り除くなど日頃のケアが重要です。
種類 | メリット | デメリット | 主な用途 |
---|---|---|---|
アルミ | 軽い・さびに強い | 変形しやすい | 様々 |
鉄骨 | 丈夫・大型に対応 | さびに弱い | 屋外用・大型 |
木材 | 温かみ・味 | 水に弱い | 屋内用 |
シートの素材はどのようなものがある?
カッティングシート(マーキングフィルム)

塩化ビニール製の薄いシートの裏にシール状にのりがついているものです。
カッティングシートとは元々中川ケミカルが商標登録をしている商品名ですが、現在は一般的にマーキングシートのことを指す言葉として使われます(マジックテープやポスト・イットと同じですね)。
カッティングプロッターという機械でパソコンから制御して輪郭カットができ、 メーカーも非常に多く、予算や用途に応じて幅広く使い分けができます。屋外・屋内・電照用等に分かれています。
看板としては社名プレートや案内板に用いられる切り文字として使用されることが主ですが、ガラス面や車に貼るなど使い方は様々です。
インクジェット出力に比べ発色が抜群で、非常にきれいなベタ塗りの表現が可能です。
一方多色刷りは苦手で、色数が多い場合はコストが跳ね上がってしまいます。
インクジェットシート(インクジェットメディア)

インクジェット出力用に使うシートです。使用状況等によって「短期」や「長期」に分かれます。
大型の出力機によって印刷を行うことができ、主にillustratorなどグラフィックソフトで制作したデータを用いるため、通常では表現の難しい細かいデザインなども忠実に再現することが可能です。
イベント用などの極短期を除いては一般的にUVカットラミネート加工をします。透明シートなどもあり、使用場所を選ばずに施工できます。
細かいデザインや色数の多いデザインでは、カッティングシートよりもインクジェットシートに軍配が上がります。
FFシート(電照用シート)

テント地風の丈夫でコシのあるシートで、光を通すため主に電飾看板の表示面に使用されます。
正式名称は「フレキシブルフェイスシート」といい、インクジェット出力・マーキングシート両方での施工が出来ます。
シート状のやわらかい素材のためアーチ型のような形状も容易に製作でき、同じく電飾看板に用いられるアクリル素材と比べて、大きな表示面でも継目がない看板が製作できます。
また軽量で割れる心配もありません。
種類 | メリット | デメリット | 主な用途 |
---|---|---|---|
カッティングシート (マーキングフィルム) |
発色がいい・ベタ塗りに適する | 多色刷りが苦手 | 切り文字 |
インクジェットシート | 細かなデザイン・多色刷りが得意 | 特になし | 写真・グラデーション |
FFシート (電照用シート) |
軽量・割れない | 設営に技術が必要 | 電照用 |
インクの素材はどのようなものがある?
溶剤系インク
溶剤に有機溶剤を使用したインクです。水性インクに比べ対候性に優れており、主に屋外用の看板に使用されることが多いです。
インクジェットメディアの表面を有機溶剤で侵した後に、熱でインクの有機溶剤を揮発させ、インクをインクジェットメディアに浸透・定着させているため、水性のインクよりも強固にメディアに定着します。
しかし、メディアを溶剤で侵すため、溶剤系インクの受容層のある専用のインクジェットメディアを使用する必要があります。
また、使用した有機溶剤が揮発するのに時間がかかり、乾燥期間を多くとる必要があります。さらには有機溶剤による特有のにおいがする、環境にあまりよくない、といったデメリットがあります。
水性インク
溶剤に水を使用したインクです。水性インクを使用する水性インクジェットプリンタは、プリントヘッドから吐出されたインクがメディアに浸透することでインクを定着させます。
何といっても発色がいいのが特徴で、非常に鮮やかな色彩の表現ができます。
溶媒が水のため、溶剤系インクに比べてにおいが少なく環境に優しいことも特徴です。
インクジェットメディアの表面を侵して定着する溶剤系インクに比べ、インクが浸透するだけの水性インクは、溶剤系インクと比べ耐候性が劣るため、主に屋内用となります。
また、インクの溶媒が水のため、水を吸収することのできるインクの受容層をもった専用のインクジェットメディアを使用する必要があります。
ラテックスインク
ラテックスインクジェットプリンタという専用のプリンタを使用するラテックスインクは、溶剤系インクと水性インクそれぞれの長所を持った最新のインクです。水性インクでありながら耐候性に優れており、様々なメディアに使用できるため汎用性が高いです。
印刷の仕組みは、インクジェットメディアにインクを吹き付けた後、プリンタに内蔵されているヒーターで熱することでインクの水分をとばし、インクを定着させます。
(インクを定着させるためにプリンタ内のヒーターで熱するため、熱に弱いメディアは使えない場合があります。)
乾燥までをプリンタで行うため、溶剤系インクを使用した時のように出力後にインクジェットメディアを乾燥させる時間もかかりません。
また、水性インクであるためにおいも少なく、有害成分の心配もありません。
まさに最新の「いいとこどりインク」ですね。
種類 | メリット | デメリット | 主な用途 |
---|---|---|---|
溶剤系インク | 優れた対候性 | 乾燥が早い・特有のにおい・有害成分の発生 | 屋外用 |
水性インク | 優れた発色・においが少ない・環境に優しい | 対候性が劣る | 屋内用 |
ラテックス インク |
優れた対候性・乾燥が早い・においが少ない・環境に優しい | 発色が劣る場合がある | 様々 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、看板に使われる様々な素材についてご紹介しました。
種類が多く迷ってしまいますが、それどれの素材に特色があり、少しでも目的に適したものを選んでいくことが、理想の看板づくりにつながります。
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